オンラインカジノで一般人は摘発される?317人の内訳を見る
「摘発されるのは運営側だけで、遊んでいる側は捕まらない」。
そう説明されることがあります。数字を見ると、半分だけ当たっています。
2025年にオンラインカジノで摘発されたのは317人、うち利用客は196人でした。一方で国内の利用者は推計196.7万人です。割合にすれば、およそ1万人に1人です。
この記事では、その数字を隠さずに出したうえで、なぜ「だから大丈夫」という結論にならないのかを説明します。
2025年の摘発317人の内訳
まず公表されている数字を並べます。
警察庁のまとめによると、2025年にオンラインカジノによる違法賭博で全国の警察が摘発したのは317人でした。前年比38人増で、統計の残る2018年以降で最多です。
| 区分 | 2025年 | 前年との比較 |
|---|---|---|
| 摘発人数(全体) | 317人 | 38人増・2018年以降で最多 |
| 利用客の検挙 | 196人 | 54人増 |
| 利用客の事件数 | 150件 | 前年の3倍超 |
| 運営側(アフィリエイター・決済代行など) | 25人 | 改正法施行後に立件 |
317人のうち、賭けていた利用客が196人です。摘発の6割以上は、運営側ではなく遊んでいた側だということになります。
「捕まるのは運営だけ」という説明は、この時点で成り立ちません。
利用者196.7万人に対して検挙196人という比率
都合の悪い数字も出します。
令和6年度の警察庁委託調査では、国内の利用者人口は推計で約196.7万人(15〜79歳の利用率2.02%)とされています。
この196.7万人に対して、2025年に検挙された利用客は196人です。単純に割ると、約1万人に1人という比率になります。
低い確率です。ここを曖昧にするつもりはありません。
ただし、この数字の読み方には注意が要ります。摘発される確率が低いことと、行為が違法でないことは別の話です。そして確率は固定されたものではありません。
人数より事件数の伸びを見る
変化が出ているのは人数ではなく件数です。
利用客の検挙は前年比54人増ですが、事件数は150件で前年の3倍を超えています。
人数の伸びより件数の伸びのほうが急だということは、大人数を一度にまとめて摘発する形から、個別に立件する形へ動いていることを示しています。
従来は大規模な賭博グループの摘発に付随して利用者が挙がるケースが中心でした。件数が増えているのは、単独の利用者が個別に立件されるようになったと読むのが自然です。
1万人に1人という比率は2025年時点のものであって、今後も同じとは限りません。
摘発は「突然の逮捕」の形を取らない
実際の入口を知っておくと判断が変わります。
オンラインカジノの事件では、逮捕から始まらず在宅で捜査が進むケースが多いとされています。
実際の入口は、警察からの電話や任意出頭の要請という形になることが多いようです。ある日いきなり自宅に来るというより、先に連絡が来る流れです。
捜査の端緒としては、決済代行業者や運営組織の摘発によって利用者の記録がまとめて押収される経路があります。自分が何もしていなくても、送金先が摘発されれば履歴は残ります。
発覚の経路についてはオンラインカジノはなぜバレる?違法性と発覚する理由で詳しく整理しています。
摘発された後どうなるのか
処分の実際を押さえます。
賭けた側に適用される罪と法定刑は、警察庁が次のように示しています。
| 罪名 | 法定刑 |
|---|---|
| 賭博罪 | 50万円以下の罰金または科料 |
| 常習賭博罪 | 3年以下の拘禁刑 |
初犯で賭けた額が小さく、反省の姿勢が認められる場合には、不起訴となる例もあるとされています。不起訴であれば前科はつきません。
一方で、常習でない賭博は罰金にとどまるため、略式起訴という簡易な手続きで終わることも多いようです。罰金を納めれば手続きは終わりますが、この場合は前科がつきます。
繰り返していた、賭けた額が大きいといった事情があれば常習賭博罪として扱われ、拘禁刑の範囲に入ります。
金額の大小より、続けていたかどうかが分かれ目になりやすいといえます。
確率が低いことが安全を意味しない3つの理由
この記事の結論部分です。
1万人に1人という数字を見て「実質セーフ」と考える人がいます。その読み方が成立しない理由は3つあります。
- 記録が消えない:入出金の履歴は自分の側で消しても、決済側と金融機関に残ります。摘発は過去に遡って行われます
- 確率は上がっている:事件数は前年の3倍超で、違法性の周知が進んで通報も増えています。分母が同じでも分子は動きます
- 前科は確率で消えない:1万分の1を引いたときの損失は罰金額では終わりません。前科は資格や職業に影響します
そして最も実際的な問題は、摘発以外のリスクのほうが先に来ることです。
警察庁委託調査では、オンラインカジノがきっかけで借金をした経験がある人が経験者の46.2%にのぼり、依存を自覚している人は約6割でした。1万人に1人を心配する前に、2人に1人が借金をしている構造のほうが目の前にあります。
すでに借金が膨らんでいる、やめたくてもやめられないという場合は、相談先があります。
厚生労働省「ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ」
よくある質問
- オンラインカジノで一般の利用者も摘発されますか?
- されています。2025年の摘発317人のうち、利用客は196人でした。摘発の6割以上は運営側ではなく利用していた側です。
- 摘発される確率はどのくらいですか?
- 国内の利用者は推計約196.7万人で、2025年に検挙された利用客は196人でした。単純計算で約1万人に1人です。ただし事件数は前年の3倍を超えており、比率は固定ではありません。
- いきなり逮捕されるのですか?
- 在宅で捜査が進むケースが多いとされています。警察からの電話や任意出頭の要請という形で始まることが多いようです。
- 初犯なら前科はつきませんか?
- 不起訴になれば前科はつきません。ただし略式起訴で罰金を納めた場合は前科がつきます。処分は賭けた額や継続していたかどうかで変わります。
- 過去に遊んでいた分は時間が経てば問題なくなりますか?
- 入出金の履歴は決済側と金融機関に残ります。決済代行の摘発では2019年からの取引が問われた例も報じられています。
まとめ
2025年のオンラインカジノ関連の摘発は317人で、2018年以降で最多でした。うち196人は運営側ではなく利用していた側です。
国内の利用者は推計196.7万人なので、比率は約1万人に1人です。低い数字であることは事実です。
ただし事件数は前年の3倍を超え、個別立件へ動いています。記録は自分の側で消せず、前科は確率で消えません。
そして摘発より先に来るのは金銭の問題です。経験者の46.2%が借金を経験しているという調査結果のほうが、はるかに高い確率で当たります。
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やめたいと考えている場合は オンラインカジノをやめたい|やめる仕組みが無い側で降りる方法 もあわせてご覧ください。
参考・出典
- 警察庁「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html
- 時事通信「オンラインカジノ検挙、最多317人 昨年、違法性周知で通報増―警察庁」(2026年4月23日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026042300348&g=soc
- 警察庁委託調査研究「オンラインカジノの実態把握のための調査研究」(令和7年1月) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/jittaityousahoukokusyo1.pdf
- 厚生労働省「ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
本記事の内容は2026年9月2日時点の情報にもとづきます。処分の見通しは個別の事情によって異なります。具体的な事案については弁護士等の専門家にご相談ください。
