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オンラインカジノの広告はなぜ消えない?違法化と押してしまった時

公開:2026年9月2日|文:ギャンブルドア編集部|出典は警察庁・政府広報・報道にもとづきます。本記事はオンラインカジノの利用を勧めるものではありません。

2025年9月25日から、オンラインカジノへ誘導する広告や宣伝は禁止されました。

それなのに、SNSにも動画にも検索結果にも、いまだに広告と「おすすめランキング」が流れ続けています。

これは取り締まりが甘いからでも、実は合法だからでもありません。制度の作りにそうなる理由があります。

この記事では、なぜ広告が消えないのかを条文と警察庁の統計から説明し、そのうえで「広告を押してしまった」場合にどうなるのかまで整理します。

結論|禁止されたが、その禁止に罰則がない

最初に、いちばん大事な構造を書きます。

2025年6月に改正ギャンブル等依存症対策基本法が成立し、同年9月25日に施行されました。これによりオンラインカジノへ誘導する行為が明確に禁止されました。

ただし、この改正法の禁止規定そのものには、直接の罰則が設けられていません。

禁止されている、しかし違反しても改正法を根拠にただちに刑罰が科されるわけではない。この状態が、広告が自動的には消えない理由です。

では違反しても何も起きないのかというと、そうではありません。処罰は改正法ではなく、刑法の賭博罪や賭博幇助という既存の規定で行われています。

つまり「まだ広告が出ているから安全」という読み方は、順番が逆です。違法性が明確になったことで、捜査当局が既存の刑法を適用しやすくなったというのが実際の変化です。

2025年9月に何が禁止されたのか

禁止の対象は、賭ける行為だけではありません。

警察庁および政府広報の説明によれば、令和7年9月25日の施行により、次のような行為が禁止されました。

ここで注目したいのは、4つ目です。

紹介サイトやまとめ記事を「作ること」自体が、禁止行為として名指しされています。賭けた人だけでなく、賭け場へ人を送る側も対象になったということです。

罰則がないのに検挙されているのはなぜか

改正法と刑法の役割分担を分けて考えると理解できます。

賭けた側に適用されるのは刑法の賭博罪です。警察庁は法定刑を次のように示しています。

罪名法定刑
賭博罪50万円以下の罰金または科料
常習賭博罪3年以下の拘禁刑

そして、賭け場へ誘導した側には賭博幇助が適用されます。

警察庁は検挙事例として、海外のオンラインカジノサイト運営者とアフィリエイト契約を結び、動画配信サイトなどで利用を勧誘していた者を常習賭博幇助罪で検挙したケースを公表しています。決済代行を装って賭け金を口座に入金させていた者の事例も挙げられています。

改正法は、こうした立件の前提になる違法性を明確にした法律だと考えると位置づけが分かりやすくなります。罰則がないから安全なのではなく、罰則は別の法律にある、という構造です。

数字で見る取り締まりの実態

実際に立件は増えています。

警察庁のまとめによると、2025年にオンラインカジノによる違法賭博で全国の警察が摘発したのは317人でした。前年比38人増で、統計の残る2018年以降で最多です。

区分2025年前年との比較
摘発人数(全体)317人38人増・2018年以降で最多
利用客の検挙196人54人増
利用客の事件数150件前年の3倍超
運営側(アフィリエイター・決済代行など)25人改正法施行後に立件

注目すべきは、事件数が前年の3倍を超えている点です。人数の伸びより事件数の伸びのほうが急で、これは個別に立件されるケースが増えていることを示しています。

そして運営側の25人という数字は、広告や紹介で人を送っていた側にも実際に手が及んでいることを意味します。

広告を押してしまった場合はどうなるのか

検索で最も多い不安に答えます。

賭博罪は、条文上「賭博をした者」を対象とする犯罪です。

したがって、広告を押した、サイトを開いて見た、という段階で直ちに賭博罪が成立するとは考えにくいといえます。不安になって検索している場合、賭けていないのであれば、その時点で罪に問われる話ではありません。

線が変わるのは、登録して入金し、賭けた時点です。ここから先は日本国内から接続している限り犯罪にあたります。

気をつけたいのは、無料版やデモプレイからの導線です。無料で遊べるという入口から本番の賭けへ誘導する設計は以前から使われており、過去にはテレビCMで無料版が宣伝されていた時期もありました。

広告を踏んだこと自体を過度に心配する必要はありませんが、そこから先へ進まないことが大事だといえます。

すでに賭けてしまった、借金が膨らんでいる、やめたくてもやめられないという状態であれば、ひとりで抱えず相談先があります。
厚生労働省「ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ」

「海外で合法だから大丈夫」が通らない理由

最も広く出回っている誤解です。

警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だと明示しています。

運営者がどの国のライセンスを持っているかは、日本国内で賭けた人の行為の違法性を打ち消しません。ライセンスは運営国での適法性の話であって、利用者がどこから接続したかとは別の問題です。

この誤解が広まった背景には、紹介サイト側が「海外ライセンス取得済み」「合法的に運営」といった表現を安心材料として使ってきた経緯があります。運営の適法性と利用の適法性をすり替えた説明だといえます。

広告塔になった側が負うもの

宣伝に関わった人の立場も変わりました。

かつてオンラインカジノ事業者は、無料版サイトのテレビCMを放映し、著名なスポーツ選手を広告塔に起用するなどしていたと報じられています。海外から広告を出稿していたため取り締まりにくいという事情もありました。

2025年9月25日以降は、誘引する情報を発信する行為そのものが禁止行為に含まれます。個人がSNSでリンクを貼って勧誘することも、名指しで例示されています。

報酬を受け取って紹介していた場合、賭博幇助として立件される可能性があります。実際に運営側として検挙された25人には、こうした立場の人が含まれています。

影響力のある発信者ほど、送客の規模が大きいぶん、幇助としての評価も重くなりやすいと考えられます。

おすすめランキング記事が今も残っている理由

禁止規定に罰則が無いことの、最も目に見える結果です。

「オンラインカジノ おすすめ」と検索すると、いまも比較記事やランキング記事が並びます。

これらは、改正法が禁止行為として名指しした「紹介するまとめサイトを作成すること」に該当し得ます。禁止規定に直接の罰則がないため、書いた瞬間に処罰されるわけではありません。だから残っています。

そこに書かれた「安全なサイト」「日本語対応で信頼できる」といった評価が判断材料にならない理由と、ランキングの順位が何で決まっているのかは、オンラインカジノにおすすめはない|ランキングが報酬で決まる仕組みで個別に検証しています。

当サイトの方針

ギャンブルドアは、オンラインカジノおよび仮想通貨カジノの紹介・誘導・比較を一切行いません。掲載するのは、日本国内で合法な公営競技やぱちんこ等に関する情報に限ります。

広告を見かけたときにできること

受け身で終わらせない方法もあります。

改正法により違法性が明確になったことで、通報を受けたプロバイダやSNS運営側が広告や紹介サイトを削除しやすい環境が整いつつあります。

SNSで勧誘投稿を見かけた場合、各プラットフォームの通報機能から報告できます。違法行為に関する報告として扱われます。

家族や知人が関わっている疑いがある場合は、依存の問題として相談窓口につなぐほうが実効性があります。金銭の問題が先に見えていても、背景に依存があることが多いためです。

よくある質問

オンラインカジノの広告を押してしまいましたが、罪になりますか?
賭博罪は賭けた行為を対象とする犯罪です。広告を押した、サイトを見たという段階で直ちに賭博罪が成立するとは考えにくいといえます。登録して入金し、賭けた時点から話が変わります。
広告・宣伝が違法になったのに、なぜ広告がまだ流れているのですか?
2025年9月25日施行の改正ギャンブル等依存症対策基本法は誘導行為を禁止していますが、その禁止規定自体に直接の罰則は設けられていません。そのため広告が自動的に消える仕組みにはなっていません。
広告を出した側はどうやって処罰されるのですか?
刑法の賭博罪や常習賭博幇助罪といった既存の規定が使われます。実際に、アフィリエイト契約を結んで勧誘していた者が常習賭博幇助罪で検挙された事例が警察庁から公表されています。
海外で合法的に運営されているサイトなら問題ないのではないですか?
警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だと明示しています。運営国の適法性は日本国内の違法性を打ち消しません。
オンラインカジノのおすすめランキング記事は違法ですか?
紹介サイトの作成は、改正法が禁止する誘導行為として挙げられています。禁止規定に罰則はありませんが、勧誘の実態によっては賭博幇助として立件される可能性があります。

まとめ

オンラインカジノへ誘導する広告や宣伝は、2025年9月25日から禁止されています。

それでも広告が消えないのは、禁止規定そのものに直接の罰則がないためです。取り締まりが甘いからでも、実は合法だからでもありません。

処罰は刑法の賭博罪と賭博幇助で行われており、2025年の摘発は317人で2018年以降最多、うち運営側は25人でした。広告や紹介で人を送っていた側にも実際に手が及んでいます。

広告を押しただけの段階で賭博罪が成立するとは考えにくいですが、登録して賭ければ話は変わります。

そして「おすすめランキング」に書かれた安全性の評価は、判断材料になりません。どれを選んでも違法という点が変わらないためです。

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参考・出典

本記事の内容は2026年9月2日時点の情報にもとづきます。法令の解釈や適用は個別の事情によって異なります。具体的な事案については弁護士等の専門家にご相談ください。